2007年3月1日、エスパスフェリシモギャラリーで、「アート チャレンジド プロジェクト ファーストキック アーベント」という、大変ユニークで意味深いイベントが開催されました。 これは北京で同年7月に開催された「中日障害者芸術展」を盛り上げるプレイベントです。現代芸術家の嶋本昭三さんがキャンバスに見立てた1階ホールに絵の具を落とした作品作りを披露し、中国人民対外友好協会の李小林副会長ら関係者約100人が参加しました。 パフォーマンスの会場となったギャラリー一面には、生活シーンを表す白いものを置きました。白い椅子やテーブル、冷蔵庫やボックスなどと一緒に、フェリシモの白いシャツなども置かれました。床に敷いたのは、ギャラリーのテーブルになっている、マウリッツィオ・ガランテさんのデザインした大きな白いフェルト生地です。生活者役のパフォーマーも白装束で現れました。ギャラリー中央に設置されたやぐらから、まず李小林さんが5色の絵の具入りのカップを投げました。北京オリンピックにちなんだ5色の色です。その後は嶋本さんお得意の「投げつけアート」式に、次から次へと白い物やパフォーマーに5色の絵の具が炸裂していき、ものの形が色彩によってはっきりと認識されていきました。約200個のカップが投げつけられました。このイベントは、白いものに色彩を施すことによって、既成概念や固まった思考などを一旦白紙に戻し、豊かで平和な色づけをする、という意味を込めて、「ホワイトプロジェクト」という名称で呼ばれました。出来上がった作品は販売し、売上の一部が「中日障害者芸術展」のために使われました。