フェリシモのことをさまざまな方々にお話する機会があります。私たちが実践してきたことをお伝えすると、多くの方は驚きの表情に変わります。フェリシモの当たり前は、社会の当たり前とは違っているようです。私がお話したことを書物にして欲しいというリクエストをいただくことが良くありましたが、忙しくて手がつけられませんでした。ある時に思い切って長い時間を掛けて書き上げたものです。フェリシモの経営にご関心のある方、フェリシモで働きたい方、フェリシモとお取引を希望される皆さまには、是非ご一読いただきたい一冊です。 代表取締役社長 矢崎和彦 <目次> I. 「しあわせ」という言葉を社名にする企業 ・世界一のしあわせサブスクリプション・コマース企業を目指したい ・あなた方がどれほどしあわせな気分にしてくれているか ・たくさんの人から支持を得よ、という父の言葉 ・人を愛せよと身をもって教えてくれた母 ・社員番号25番。土曜も日曜も、真夜中まで働く ・「理念をバトンに」兄から社長を引き継ぐ ・しあわせの贈り手になることほど、しあわせなことはない ・こうありたい、という思いを込めた社名変更 ・事業性と独創性と社会性の輪が重なるビジネス ・メセナやCSRブームへの疑問 ・自分たちの事業基盤の上に、社会性を乗せればいい ・阪神・淡路大震災での確信。見返りを求めないお金が送られてきた ・理念を可視化したフェリシモニューヨーク ・社会づくりに、ともに取り組まなければいけない II. 「しあわせ」を創造するフェリシモの仕事 ・「フェリシモの森基金」 延べ400万人の生活者と取り組んだ森づくり ・阪神・淡路大震災「もっと、ずっと、きっと」 毎月100円義援金の物語 ・「ハッピートイズ」プロジェクト 世界に飛びたった笑顔の親善大使たち ・「9.11Tシャツ」 どちらの側の子どもたちにも罪はない ・「生活雑貨大賞」 生活者のアイデアをたくさんの「しあわせ」に ・「フェリシモ文学賞」 生活者一人ひとりに表現する機会を ・「良書復刊プロジェクト」 お客さまとともに文化を守る ・「男女ペア下着」 素材や生活に性別はありません ・「サンタクロース大賞」 世の中をハッピーにする人を称えよう ・「神戸学校」 心の復興のために始めた公開講座 ・「チャレンジド・クリエイティブ・プロジェクト」 個性を活かして自立を支援 ・「グラミン・フェリシモ」 デザインの力で途上国に仕事をつくる ・「ミュニデ」 実用性とかわいらしさの共存 ・「幸福(しあわせ)のチョコレート」 大統領の愛するチョコレート ・「女優レッスン」 誰もが人生という物語の主役 ・「シュークラブ」と「信頼市場」 食を通じたしあわせ社会づくりへの挑戦 ・「500色の色えんぴつ」 夢があるから常識を超えられる ・東日本大震災支援活動 得意なことを活かして息の長い支援を ・「東北のお母さんプロジェクト」 働く場を失った女性に仕事をつくる ・「とうほくIPPOプロジェクト」 未来をつくるプロジェクトを支援 III. 「しあわせ」をめざす仕事のスタイル ・「思い」がこもった仕事をしてほしい ・一番好きなことをやりなさい ・何を目指しているのか、社員一人ひとりが認識する ・カタログを書店で売る、という大きな転機 ・カタログづくりには、徹底的にこだわる ・「本気度」が結果を左右する ・新卒採用でユニークだと評価される「自分カタログ」 ・そろそろ外国人の定期採用を、考える時期だと思う ・トレーニングでアイデアが出る体質にする ・社長自らが、社員のミーティングに参加する ・「フェリシモ・クリエイティブ・ガールズ・クラブ」 ・インターネットとどう向き合うか Ⅳ. 「しあわせ」を生み出す経営 ・会社は何のために存在しているのか ・社員が人生を賭けるにふさわしい会社が作れるか ・プロダクトデザインから、コーポレート・スタイル・デザインへ ・常に進化し続ける組織でありたい ・サンタクロースのような会社でありたい 英治出版刊 (2013年7月発行)