1990年3月出版の「ニューヨークブック」は、最新のニューヨークファッションからアーティストグッズ、スーベニールはもちろんのこと、話題のエンタテインメントやアート、ニューヨーカーたちのライフスタイルなど、気になる情報を満載。フェリシモならではの視点で集められた掲載商品が全て買える、AtoZで編集されたメールオーダーカタログです。 商品買い付けに何度もニューヨークを訪れた1989年は、携帯電話もインターネットもない時代。担当は入社3年目の同期3人、自分たち自身が現地で実際に見聞きしたこと、出会ったコト・モノ、すべてが感動で、カタログを通じてお客さまに届けたい、届けるのだ!という使命に燃えて制作。 まだ治安が良くないと言われていたハーレムに向かう地下鉄。北へ向かうにつれ(ハーレムが近づくにつれ)車内の状況や雰囲気がかわってゆく。場違いなところにいて大丈夫なのか?と、ドキドキしつつも自分が外国人で、そのシーンに溶け込んでいるという実感がうれしく、世界とはこういうこと、このリアルな感動をどうやって伝える(販売する)のか?を追求し続けました。 撮影は、「N.Y.で着たい服」をテーマに作ったオリジナルのアクセサリーや洋服で、モデルは肌の色が違うふたりの女性を起用。グリニッジヴィレッジの落書きだらけの壁、メープルソープの写真集に出会った古本屋、当時姿を消しつつあった「CHECKER CAB」等々、自分たちが思うファッション・アート・カルチャー・ミュージックetc.「これぞN.Y.」をつめこんだシチュエーションで行いました。 古着屋で買った1点モノの古着、メープルソープやハーブリッツの作品(ポストカード)など、こだわりの「アート」アイテムを販売、すべてがチャレンジでした。 フェリシモオリジナルはすべて日本製。アメリカから輸入したものは、ほぼすべてアメリカ製。まだ、中国製品がほとんどなかった時代でした。 小さな取材ネタ、自分たちで撮った写真、そんなこまごまとしたものから、あなたもNYで会社を作りませんか?という「象徴企画」と呼ばれていたスケールの大きな企画まで掲載、圧倒的な商品点数、たくさんの人たちが情熱を注いで作り上げた「NEW YORK BOOK」は、フェリシモらしい個性あふれる1冊です。