1990年、舞台衣装などの分野で活躍するアーティストのひびのこづえさん(当時の内藤こづえさん)とフェリシモは、「ホブゴブリン」というブランドを作りました。 ホブゴブリンとは、いたずら好きの妖精という意味。70年代から80年代にかけてさまざまなテキスタイルプリントのブランドが出ていましたが、あらためて「私らしい」と思える、カジュアルで個性的なテキスタイルプリントを出していくことで新しい生活提案をしていきたいと考えました。「ホブゴブリン」はそのための重要なコラボレーション開発の一つでした。 1992年にはお姉さんブランドにあたる、「ホブゴブリンMIZUIRO」もリリースしました。水色は寒色だけど冷たさを感じさせない、ひびのこづえさんが好きな色。当時のひびのこづえさんと同年代の30代へのメッセージを込めて名付けられました。 どちらも6柄ずつの花柄プリントを使用したコレクションがメインで、「ホブゴブリン」は色も花も元気なデザイン、「ホブゴブリンMIZUIRO」はしなやかで大人びたデザインの花柄でした。 「ホブゴブリン」、「ホブゴブリンMIZUIRO」の花柄は、湧き上がってくるような生命力があり、美しさの中に潜む少しの毒気や、大胆さと繊細さの同居、 突飛に見える造形や色使いも、どこか自然界とつながっているかのようでした。 当時すでにコスチューム作品や、舞台衣装で活躍していたひびのこづえさんは、それらの写真で作品集も出版していましたが、「ホブゴブリン」、「ホブゴブリンMIZUIRO」の撮影でも小道具の細部までこだわられました。モデル達もホブゴブリンのアイテムを羽織ると小妖精の魔法にかけられたように楽し気にそしてどこか誇らしげになり、カタログ写真の1カット1カットが作品へと変わっていきました。 <ラインスペック> 「ホブゴブリン」…素材:綿100%の全面プリントの布帛やワンポイントプリントの綿ニット生地。 布帛のアイテムはベッドリネンやパジャマ、シャツ、傘・帽子、クッション、スリッパに加え、紙に布を貼ったボックスやアルバムなど小物も展開。 綿ニットのアイテムは、植物柄がワンポイントで入った Tシャツや裏起毛生地に全面プリントのカーディガンなどがありました。 その他、上記プリントものに映える、無地の皮革や張りのあるポリエステル生地を使った立体的なバッグやポーチなど。 「ホブゴブリンMIZUIRO」…素材:同じ綿100%の素材でも、採用したのは番手が細かいサテン生地。さらに、しなやかで落ち感のあるキュプラレーヨンも加え、素材の面でも お姉さんブランドらしさを演出。 また、フェリシモ自身がエコロジーに重点を置くようになり、部品の織ネームやシャツのボタンなども自然素材を使用しました。 綿100%のサテン生地は、ベッドリネン類やクッション、ルームシューズなど。 キュプラレーヨン生地は、衣服、シャツやワンピース、スカートなど。